死神の初恋は腹黒くん


普通の死神の正装は男女関係なくズボンの黒いスーツ。

あたしはズボンがいやだったから黒いワンピースタイプのものにした。

それも膝上にして。

あと、髪型も男女関係なく後ろに低い位置で一つ。

あたしは高めのツインテールにして、黒のリボンでとめてある。

まぁ、あたしは色々と問題児だったみたい。

「これは、あたし達の正装ですよ。」

「なら、異人じゃないか!」

「だから、あたしは異人じゃないですってば!それよりなんで、あたしここに?」

ふと、気になった。

なんであたしここにいるの?

すると無口の人が

「怪しいから連れてきた。」

「それだけで?あたし"新撰組"という集団に用があるんです!だから帰らして下さい!」

するとみんな驚いた顔をした。

「え?あたしなんか変な事聞きましたか?」

「わしらは新撰組だ。」

真ん中に座ってた人が答えた。

「え?そうなんですか?!なら探す手間が省けました。」

「おめぇは一体何しにきた。」

「あたしは死神といいます。」

「死神?」

「はい。死神は死が近い人に見え…ん?」

ちょっと待って。

死神は死が近い人しか見えない。

え?

「え?あたしの事見えるんですか?」

頷く皆。

あたしは急いで分厚い白紙の本を取り出した。

「でも、まだ白紙のまんまだ…」

どゆこと?

「もしかして俺ら死んじまうのか?」

筋肉質の人が話しかけてきた。

「それはまだ、なんですけど…もしかして皆さん死にかけたりしたことあります?」

死神が見える人は死が近い人や死にかけた人は見えやすくなる。

「俺は切腹で死にかけたことあるぜ!」

色気たっぷりの人が答える。

「私は、腕怪我した時ですかね?」

「そうですか。では、他の皆さんは?」

他の人はないと首を振る。

「うーん…おかしいな…。とにかく、あたしはあなたたちの魂を頂くために江戸時代へと来ました。ってことで、よろしくお願いします!」