懐かしい思い出が次々と蘇ってきて、気づいた時にはすでに放課後になっていた。






香織ちゃんはボーッとしてる私を気にしていたけどアイスクリーム屋さんのほうが気になるようで、マイペースな私を急かした。




「汀、早くー!」


「んー。」



よっぽど楽しみなんだなぁって思ってつい笑みがこぼれた。



商店街に着くと皆が歓迎してくれた。



八百屋のばちゃんは「大きくなったねぇ!」とか、魚屋さんのおじさんは「おかえり!魚持ってくか?!」とか、お肉屋さんのお兄さんには「肉焼いたぞ!食ってくか?」って言って新商品を試食させてくれた。






暖かい皆に私の心も暖かくなった。
それは、香織ちゃんも同じようで、「皆、優しいねぇ」って呟いた。



「そうだね」って返して二人で微笑んだ。