指先に囚われて…



〈ガラっ…〉


『いらっしゃいませ…あ、芝田さんっ!』


扉の開く音が耳に届き、さっとそちらに顔を向けると、芝田さんの頬笑みが視界に入った。


「やあ、美弦ちゃん。しばらくだったね」


『そうですね、たしか…二月程でしょうか?お変わりないようで、良かったです』


「いや、僕ももう年だからね。いろいろと疲れるよ」


『そんなことありませんよ♪あっ、今日はお連れ様がいらっしゃたんですね!すいません、こ
んなところで;』


つい、芝田さんとお話をしてしまい後ろにいる方に気付かずにいた。