会ってしまった……



黒龍の総長と現姫に…。




咲良の短い悲鳴を聞き、澪哉がバッと身構える。




それは、無駄のない完璧な構え。




鋭い眼光は、真っ先に私の姿を捉える。






「っ、留愛……」



無意識に彼の口から出た言葉。




その言葉に、何故かビクッと体が震える。




「………」



重い沈黙の中、無言で通りすぎようとする私に澪哉がふと口を開いた。




「お前……また咲良に何かするつもりか?」



その問いかけに、私は振り返らずに




「そうね……今は、まだ。」



そう言い残し、校舎の中へと入っていった。