あぁ…そうだ。
いつもは、総長の澪哉にバイクに乗せて貰ってたんだった。
何台ものカラフルなバイクに囲まれ、皆の笑い声を聞きながら
私は、前で運転する澪哉にそっと腕を回して…
「……ッ!!」
自分がまだ姫だった頃を思いだし、胸がギュウっと痛んだ。
なんだ、私……
まだ皆の事、吹っ切れてないじゃない……。
そっと溜め息をついたとき
「澪哉ぁ~、倉庫にいくの?」
「…あぁ」
校門に近づいてくる二人の話し声。
その声に、私は思わず体を強張らせる。
うご、かなきゃ……
そう思うのに、足が震えて言うことを聞いてくれない。
そうこうしてる内に
「じゃぁ咲良も……キャッ!!」