それはまるで、スローモーションのように見えた。 繰り出された私のナイフが、ゆっくりと零哉の心臓に向かっている。 それを余裕そうな笑みを浮かべ、横へ体を反らす零哉。 私は、咄嗟にもう片方の手でナイフを取り出すとそれを零哉の脇腹にめり込ませる。 ……はずだった。