罪なき元姫




アイツが口を開こうとした瞬間、真剣な表情を浮かべた皆が走ってくる。




…目の前の女を思って。




「みんな!!」




みんなが来るや否や、アイツは泣き出す子どものように瞳をうるうるとさせ皆の背中にそっと隠れる。





「てめぇ…咲良に何した!!」



そう怒鳴る翔に、私はニコッと微笑を向ける。




「別に…ただ話をしてただけ。」




その言葉に、皆は眉間にしわを寄せる。