罪なき元姫




前から聞こえてくる取り繕ったような高い声。




その声の主は、見なくても分かる・・・。




「…さ、くら……。」




私の言葉に、目の前の咲良は愉快そうにふふっと軽い笑みを零す。




私がうずくっまってるから、虐められた後だとでも思ったのだろう。




「可哀相に…味方がだぁれもいなくてっ!」





「……そうかしら?私にだって味方くらいいるわ。」





そう呟けば、咲良はバカにしたように鼻で笑う。




「はっ、苦し紛れの言い訳ってわけ?!」