罪なき元姫





屋上をでた私は、一人静かに階段を下りていく。




今は授業中だから、人の気配は何もない。




まぁ、その方が気が楽かも…



チラッと横目で見た外は、濃い灰色の雲が掛かっていた。




それはまるで、今の私みたい…。




「ッ……!!」





再び歩き出そうとしたとき、急な痛みが胸を襲う。




ズキズキとした痛みが全身に広がって、上手く呼吸が出来ない…。





息を吸うたび、体内から不快な音が響き渡る。





「……ぁ、瑠愛ちゃんじゃぁ~ん!!」