いつまでたっても、口を開こうとしない留愛に……イライラする。



「…もういい。」


「キャッ!!…っ!」



目の前で、繰り広げられる光景。



留愛の甲高い悲鳴と共に、お腹にめり込まれた翔の拳。



かすかだが、骨の砕けるような音がした。



「うっ……っ!」



苦痛で顔を歪ませながら、よろよろとその場に立つ留愛。



その瞳はただ、真っ直ぐに俺に向けられてる。




なんだ?



何で俺を見る…?