「い……いいんですか?」
驚きのあまり思わず聞き返してしまった私に、真壁さんは真剣な表情を変えないまま答える。
「充さまが宗根さまと暮らすようになってから精神的成長が認められると、円蔵さまは申し上げております。そして僭越ながら私もそれを感じております。宗根さまと一緒に暮らす事で、我々では伝えきれなかった事を充さまが学べるのだとしたら、今回もそれに委ねるべきだと私は判断致しました」
淡々とされる説明を聞いて、自分の頬が熱くなっていくのを感じた。
……私と暮らす事が、社長にとっていい事になってるの?それも、総会長のお爺さんが認めるほど?
「そ、そんな……私は別に何も。普通に暮らしてるだけでそんな立派なものじゃないって言うか、買い被り過ぎって言うか」
つい謙遜してしまったけれど。
「そうですか。それは、充さまは宗根さまにお任せしない方が良い、というお答えと捉えてよろしいでしょうか?」
「えっ!?あ、ち、違います!大丈夫、任せてください!」
真面目な真壁さんに否定と捉えられてしまい、私は慌てて首と手をぶんぶん横に振った。
「では、今から約9時間後――午前9時にお迎えにあがります。それまで充さまは宗根さまにお任せさせて頂くという事でよろしいのですね?」
「もちろんです」
今度こそしっかり真壁さんの顔を見つめて、ハッキリと頷く。
この人や社長のもとで働く人たちのためにも、しっかり看病しなきゃと云う気持ちがムクムクと湧いてきた。



