「帆夏、はよー」

「……圭祐、おはよー」



ポンッと肩を叩かれて顔を上げると、そこには幼なじみの圭祐がいた。

圭祐は前の席の椅子を引くとそこに腰をかけ、私の顔をのぞき込んでくる。



「どうしたんだよこんな早い時間に来て」

「んー、ちょっとね……」



めずらしく早い時間に学校へ来ていた私は、一人机に突っ伏して寝ていた。


昨夜は瀬戸くんのことを考えていたせいか一睡も出来なくて。

結局、なにも決められないまま時間だけが過ぎていった。



瀬戸くんが来たらなんて言おう。

どんな顔をしたらいいのかな……?



そんなことばかりが頭の中でグルグル渦巻いて。

もうどうしたらいいのか分からなくなっていた。