「やっぱあの人か」
「え?」
苦笑気味に吐き出されたその言葉にふり向くと、瀬戸くんはまぶしそうに海を見ていた。
その視線は、さっき見ていたあの男の人に向けられている。
「あの人、すげぇ人なんだぜ?アマチュアの大会で何度も優勝して、もうすぐプロになるんだ」
「……プロ?」
え、そんなにすごい人だったの?
「俺、あの人にあこがれてんだよ」
「あこがれ?って、えっ!?もしかして瀬戸くんもサーフィンしてるの!?」
おどろきの新事実に思わず体が仰け反ってしまった私。
「んだよその反応。俺がサーフィンしてんのがそんなに意外なのかよ」
ムッと眉を寄せる瀬戸くんに慌てて「そんなことないよ」とフォローするけれど、瀬戸くんの顔は不機嫌なまま。
とりあえず何回も謝ってみる。


