教室に入ってきた貴也に「おーい」と大きく手を振れば、それ気付いた貴也が呆れたようにため息を吐き出した。
「ちょっと、人の顔見るなりため息つかないでよ」
貴也といい美来ちゃんといい、なんで私の周りの人って私の扱いが雑なのかな?
「……はぁ。ため息もつきたくなるよ」
「え、なに?その意味深な顔」
明らかに良いことではないことを表している貴也の表情に嫌な予感がして、サッと身構える私。
「谷村先生に呼ばれてるよ。プリント出てないの帆夏(ホノカ)だけだってさ」
「は?プリント?……って、あっ!」
忘れてた!
そういえば今日の放課後までだって言われてたんだった!
思い出した私は机の中に乱暴に手を突っ込むと、手探りで目当てのプリントを探した。


