自然とバタ足になった私は、瀬戸くんのリードで静かに泳ぎ始め、水面から頭を出したままゆっくりと前へ進んでいく。
……あ、大丈夫かも。
浮力のせいか、さっきまでの痛みは全くない。
これなら練習出来るかも。
そう思った時だった。
「昨日言ったこと、ちゃんと覚えてるか?」
後退しながらそう問いかけてきた瀬戸くんに訝しげに頷く。
「う、うん、一応……」
めずらしく笑ってはいるけれど、なんだろう。
嫌な予感しかしないんですけど。
不自然すぎる笑顔がものすごくコワイ。
「じゃあ、端まで行ったら通常練習に戻るか」
「…………」
ひ、ひぇぇぇぇぇ!
にやりと意味深な笑みを浮かべた瀬戸くんに、無言の雄叫びを上げたのは言うまでもない。


