「もう!いきなり引っ張らないでよ!ビックリするじゃん!」
水面に上がるなり文句をぶつけたけど、瀬戸くんは素知らぬ顔。
瀬戸くんって見かけによらず子供っぽいことするよね!
無視を決め込む瀬戸くんを放っておいて、一人で泳ぎ始める。
準備運動をし忘れたから、ゆっくりと平泳ぎで。
……と言っても、元々上手じゃない私は一回手足を広げただけで足をついてしまったけど。
「ホラ、手出せ」
「……へ?」
返事もしていないのに勝手に私の両手を取った瀬戸くんは、腰を落とすと、ゆっくりと私を引き寄せて少しずつ後退し始めた。


