「帆夏、こっち向け」 「やだ。恥ずかしい」 誰もいないプールでならまだ分かる。 でもここは公共の場だ。 恥ずかしすぎて顔なんか上げられないよ。 「……瀬戸くんのバカ」 恨みがましくそう呟けば、 「バカはお前だろ」 なぜか瀬戸くんの不満げな声が落ちてきた。 なんで瀬戸くんが怒ってるの? 怒っているのは私の方なのに。 膨れっ面で顔を上げると、なぜかツンッとそっぽを向いている瀬戸くんがいて。 「なんで怒ってるの?」