瀬戸くんと、ふたりきり。



“俺さ、あの紙渡された時瀬戸に聞いたんだよ。なんでこんな回りくどい事すんの?こんなメモなんか渡さずに自分が教えればいいじゃんって。

そしたらさ、アイツなんて言ったと思う?”




「……お前に言ったらまた気にすんだろうが」



“アイツは俺のために離れたんだ。近くにいたら気を使って逆に練習に身が入らなくなる。それだけは避けたい。そう言ってたよ”




──もし、瀬戸くんがメモなんて方法を取らずに直接来てくれていたら、瀬戸くんの言う通り私は大会のことが気になって練習に身が入らなかったと思う。


瀬戸くんに気にするなって言われても絶対気にしてたと思うから。




“瀬戸は自分の大会と同じぐらお前のテストを気にしてたんだよ。だから、二人にとって最善の道を選んだんだと思う。

まぁ、気になりすぎて海に行く前プールに寄ってたみてぇだけどな。 お前、知らなかっただろ?”




────知らなかったよ。

瀬戸くんが毎日練習前にプールに来てたこと。




「言ってくれたら良かったのに」


今思えば私たち、同じことしてたんだね。



瀬戸くんは海に行く前にプールに来て、

私は練習が終わったら海に行く。


二人とも同じことしてた。