「ありがとう。練習も見ててくれたんでしょ?」
そっと瀬戸くんのパーカーを掴めば、「アイツ全部言ったのかよ」と少し呆れ混じりに項垂れる瀬戸くん。
「聞いたよ」
全部聞いた。
瀬戸くんが私のためにしてくれたこと。
全部聞いたよ。
“瀬戸がプールから出て行った次の日、俺、瀬戸の所に行ったんだよ。
そん時、あの紙渡されたの。コレ、アイツに渡してくれって。俺からだって絶対に言うなって言われたよ”
「あの紙を見た時、凄く嬉しかった。私の苦手な所とか克服しなきゃいけない所が的確に書いてあったから」
「………」
今思えば、あの紙に書いてあったのは瀬戸くんに注意された所ばかりだった。


