瀬戸くんと、ふたりきり。



「お前がこの感情を“好き”だって言ったんだろうが」

「だってっ、」



急に好きだって言われても、そんなすぐには信じられないよ。




「……プールで、お前と松永が一緒にいるのを見て、すっげぇムカついた」

「瀬戸くん」

「俺には断ったくせにはいいのかよって」

「ごめ──」

「いい。あれは俺のためにしてくれたことだろ?」

「………でも、」



その先の言葉は言わせてくれなかった。

抱き締められていた腕の力がさらに強くなったから。




「どうしたら、お前は笑うんだよ」

「……え?」

「さっきみたいな顔、させたくねぇ」

「瀬戸くん……」



悲痛を孕んだ声色は自身を責めていて。

私は直ぐに首を振って否定した。




瀬戸くんは気付いていたんだ。

私が無理に笑っていたことを。


……泣きそうになっていたことを。



全部全部、気付いてくれてた。