瀬戸くんと、ふたりきり。



うそ……

私、今瀬戸くんとキスしてるの?




冷たい水の中。

唇に感じるのは確かな温もり。



夢じゃ、ない……?



信じられなかった。

瀬戸くんにキスされるなんてそんなこと、夢にも思ってなかったから。


けど、夢じゃない。

だって、目を開ければ瀬戸くんの綺麗な顔があって、後頭部は大きな手で包まれているから。



どう考えたって夢じゃない。

夢じゃないんだ。





夢見心地でいると、不意に引き寄せられた後頭部。

それによって二人の唇の間から漏れ出す空気。


それは気泡となって真っ直ぐ水面へと浮上していき、同時に、知らぬ内に背中へと回っていた瀬戸くんの腕によって水面へと導かれた。