泣きたいのをグッと我慢して、そっと瀬戸くんの胸元を押す。
すんなり離れたことが少し寂しかったけど、仕方ないなと思った。
「ほの──」
「ホント、ごめんね!何だか急に言いたくなっちゃって」
「帆夏、」
「困らせるつもりなんてなかったの。ホントごめん!」
「帆夏……!」
「……うん、分かってるから」
分かってるから。
だから、そんな瀬戸くんらしくない顔しないで。
乱暴に腕を掴まれて口を閉ざせば、目の前には複雑な表情をした瀬戸くんがいて。
そんな顔を私がさせているんだと思うと、胸が張り裂けそうになった。


