瀬戸くんと、ふたりきり。



「お前、もしかして水に入るのも無理とか言わねぇよな?」

「そ、それぐらいは出来るよ!」



いくらなんでも失礼じゃない!?

水に入るぐらい出来るし!



「顔だってつけられるんだから!」



ジッと疑いの目を向けてくる瀬戸くんにそうムキになって返せば、瀬戸くんは「冗談だっつーの」と、少し意地悪そうに口角を上げた。



……あ、笑ったら目が優しくなるんだ。



つり上がった目尻がふにゃりと下がって、なんだか可愛い。


強面の瀬戸くんの意外な素顔を発見してしまい、思わずふふっと笑ってしまった。



「なに笑ってんだよ」

「な、なんでもないです」



ギロリとにらまれ、蛇ににらまれた蛙のようにすくみ上がる私。


やっぱり怖いのには変わりない。


けど。



「瀬戸くん、ご指導お願いします!」



最初ほど怖いと思わないのは、きっと今見た笑顔のせいだと思う。