瀬戸くんと、ふたりきり。



あ、そうだ!こういう時はアレをしよう!



「何する気だよ?」


私がポンッと手を叩いたのを見て、瀬戸くんが訝しげに聞いてくる。



「ホラ、緊張した時に手のひらに“人”っていう字を三回書いて飲み込むのあるでしょ?アレをしようかなって」



私は半ば呆れ気味の瀬戸くんにニッと笑うと、手のひらに“人”という字を書いて瀬戸くんに突き出した。

すると、私の手のひらを見た瀬戸くんがわざとらしく溜め息を零し、一言。



「ビビリ」

「……うっ。び、ビビリで結構!私ビビリだもん!これで緊張がマシになるならいくらでも飲んでやるんだから!」



冷たい瀬戸くんにツンッと顔を背けた私は、再度“人”という字を書き殴ってそれを勢いよく口へ運んだ。



すると、


「ちょ……!?」


飲み込む直前に瀬戸くんに手首を掴まれた。