瀬戸くんと、ふたりきり。



優勝を逃したことを悔いているのか、瀬戸くんは悔しげに下唇を噛み締め、ゆっくりと目を閉じたあと空を仰いだ。


眉間に寄せられた縦皺を見て、私もじんわりと悔しさが込み上げてくる。




「瀬戸くんも、上手だったよ」

「……帆夏」

「すっごくすっごく綺麗だった。私、目が離せなかったもん」




今でも思い出せる。

あの時の瀬戸くんの姿を。



ダイナミック且つ優雅な技の数々。

それに劣らない眩しい笑顔。


波に乗る瀬戸くんはまるで羽根が生えているかのように軽やかで。



「みんな瀬戸くんのサーフィンに見惚れてたよ」



ずっと、見ていたいと思った。