ふわり。
私達の間を擦り抜けていく心地良い夏風。
それは水面を優しくなぞり、空へと静かに舞い上がっていく。
それによってフワッと浮き上がった瀬戸くんの前髪。
隠されていた瀬戸くんの表情が露になった瞬間、私はその表情に目を奪われた。
……うそ。瀬戸くんが照れてる?
髪の毛の隙間から覗く漆黒の瞳と、少しだけ赤らんだ頬。
それを見た瞬間、きゅっと心臓が締め付けられて。
それと同時にもどかしいくすぐったさに襲われた。
……ドキドキする。
初めて見る瀬戸くんの表情に。
どうしようもなくドキドキして。
凄く、苦しい。
……私、やっぱり瀬戸くんのことが大好きだ。


