瀬戸くんと、ふたりきり。



瀬戸くん……。


そっと目を閉じた瀬戸くんの表情は苦しげに歪んでいて。

その表情を見た途端、胸がぎゅっと鷲掴みされたかのように苦しくなった。


だって、こんな瀬戸くん見たことない。

こんな不安げな顔、見たことない。


いつもの瀬戸くんはもっと無口で無愛想で素っ気なくて。

こんな余裕のない顔なんて見たことないよ。




「瀬戸くん……」

「俺のために離れてくれたんだろ?」

「………」

「それなのに、俺はお前に冷たい態度──」

「違う!!」

「ほの──」

「違うよ!瀬戸くんは悪くない。私がちゃんと説明していれば瀬戸くんは怒らなかった。だから瀬戸くんは悪くないっ!」




そうだよ。

瀬戸くんは何一つ悪くない。


だって、説明も無しに一方的に練習を断ったのは私の方だから。


突然あんなメールが届いたら誰でも不思議に思うだろうし、自分以外の人に教えて貰ってるのを見たら誰だって気分が悪くなる。


だから、瀬戸くんは悪くない。

全然悪くない。