「なんで言わねぇんだよ」
「……え?」
耳元で小さく呟かれたその言葉に、閉じていた目が開いた。
「瀬戸く──」
「悪かった」
え?悪かった……?
どうして?
なんで瀬戸くんが謝るの?
どう考えても謝るのは私の方なのに。
なんで……。
その答えは聞かなくてもすぐに分かった。
「愛里のダチに言われたんだろ?俺の練習の邪魔をするなって」
──ドクン。
瀬戸くんから放たれたその言葉に、身体がビクッと揺れ動いた。
「あ……」
蘇る。
あの女の人の言葉が。
まるでたった今言われたかのように。
脳裏に鮮明に蘇る。


