瀬戸くんと、ふたりきり。



……なんで。

なんで追いかけて来るの!?


なんで……っ!!



まさか瀬戸くんがプールに飛び込んで来るとは思っていなかった私は、瀬戸くんから逃げようと胸元で散る水飛沫を無我夢中で掻き分けた。



「おい!!」


背中から迫り来る制止の声。

けれど、一度動き出した私の足は止まらない。




「待てよ!!」



……逃げなきゃ。

逃げなきゃ……ッ!!


今の私の頭の中には“止まる”という選択肢はなかった。



昨日と今日。

日時こそ違うけれど全く同じ状況。


上手くいけば、また逃げきれるかもしれない。

それが頭のどこかにあった。


けれど、それは自分の思い込みであって、今日も逃げられるとは限らない。

だって今日はなんの障害もないのだから。