「すみません!通して下さい!」
歩行者にそう投げ掛ける声は微かに震えていて。
私はどうしようもないほど動揺していた。
そんな私に追い討ちをかけるかのように迫り来る足音。
ちらりと肩越しに振り返れば、数メートル後方には瀬戸くんの姿があって。
自然と走るスピードが速まった。
あ、ありえない!
なんで追い掛けてくるの!?
やっとの思いで人混みから抜け出すと、そこは屋台が立ち並ぶメインストリート。
さっきよりも幾分か走りやすくなったけど、それは瀬戸くんにも言えることだった。
体力のない私はサーフィンをやっている瀬戸くんに敵うはずもなく、徐々に距離が縮むのが分かる。


