瀬戸くんと、ふたりきり。




「やっぱり上手……」


海辺から少し離れたこの場所は絶好の鑑賞スポット。


砂浜から繋がるこの堤防沿いの遊歩道は滅多に人が通らず、大体の人はあの砂浜までしか行かない。

だから気にせず見ていられる。



向こうからも何となくしか見えていないだろうし、私だってことは絶対に気付かないだろう。


まぁ、ここからも瀬戸くんの姿は米粒ほどの大きさにしか見えないんだけどね。


それでも、どれが瀬戸くんかなんて顔を見なくても分かった。


だって、瀬戸くんは特別だから。


水飛沫を浴びながら波に乗るその姿は普段の無愛想から一変し、キラキラと光り輝いていて。

ダイナミックな技と共に浮かぶ笑顔が私の心を激しく揺さぶる。


一度魅せられたらもう目を逸らすことなんて出来なくて。

今はもう中毒になってしまったかのように瀬戸くんのサーフィン姿に夢中になっていた。