瀬戸くんと、ふたりきり。




サワサワと髪を揺らす夏の海風。

真夏のせいか夕方でも少し湿気混じりで蒸し暑い。


けれど、心地好く吹き抜ける風が暑さを和らげていて、長時間外にいてもさほど苦痛には感じない。




眼下に広がるのはサーフィンの利用者で賑わっているビーチ。

私は今、瀬戸くんと逢ったあの砂浜にいる。



瀬戸くんを怒らせてしまったあの日から、実は私、毎日瀬戸くんの練習を見に来ていた。



もちろん、水泳の練習が終わってから。

ストーカーみたいだって自分でも分かってるけど、瀬戸くんが気になって仕方なかったから。


練習をしていても瀬戸くんのことばかり考えてしまい、集中出来なくて。

少しの間だけでもいいから瀬戸くんのサーフィンしてるところが見たい。


そう思って、練習が終わった後ここへ来るようになった。