瀬戸くんと、ふたりきり。




何をどう謝ろうかなんて全く考えてなかった。


ただ、追いかけなきゃいけない。

そう思ったから追いかけた。





「瀬戸くん、待って……!!」



プールから出て数メートルの場所で瀬戸くんに追いついた私は、後ろから瀬戸くんの腕を思いっきり掴んだ。



「……っ」


肩越しに振り返った瀬戸くんの瞳はさっきよりも冷たくて。

その冷めた瞳に出かけていた言葉がクッと咽喉の奥で留まった。



「わ、私……」



その先の言葉がなかなか出てこなくて。


そんな私を見た瀬戸くんはフッと小さく鼻で笑うと、



「俺が嫌ならハッキリそう言えば」



感情の籠っていない声色でそう吐き捨てた。



そして。



「ムカつく」



そう小さく呟いたあと、冷ややかな目で私を一瞥し、静かに去っていった。