チャポン……



「はぁ……」



やっぱり泳ぐ気なんてなれないや。


日直の仕事が終わり、圭祐と別れてプールに来たものの、なかなかその気になれない私。


昨日の今頃だったら瀬戸くんと一緒に練習してたのになぁ、なんてことを考えてしまう私はホントダメな奴だ。


本当はこんなにのんきに水遊びなんてしてる場合じゃないんだけど。


だって、補習まであと一週間しかない。

ううん、一週間もない。


来週の水曜日がテストだから実質練習が出来るのは土日を省いた五日間しかないんだ。



練習、しなきゃ。


じゃないと補習になってしまう。

せっかく瀬戸くんに教えて貰ったのに補習になってしまったら申し訳ない。


それに、瀬戸くんのメールに書いちゃったもんね。


一人で大丈夫だからって。

偉そうに書いたのに、補習になったらそれこそ怒られちゃいそうだ。



……よし、泳ごう。


そう気合いを入れて、水中に体を滑り込ませようとした時だった。



「まだ練習してなかったのかよ」



右方から聞こえてきたのは、男の人の声。