「あれ?帆夏まだいたんだ。今日は練習しねぇの?」

「……圭祐」



放課後、日直の仕事で教室に残っていたら、帰ったはずの圭祐が教室に入ってきた。

サッカー部じゃないのに練習着を着てるってことは、きっとまた助っ人として呼ばれたんだろう。



「今日から一人だからいいの」

「は?今日から一人?」



前の席に腰掛けようとする圭祐にポツリとそう言って、日誌を書き進める。





────そう。

今日からプールの練習は私一人。


さっき瀬戸くんにメールしたから。


“一人で大丈夫だから瀬戸くんはサーフィンの練習頑張って”って。


だから、瀬戸くんは練習には来ない。



大会のことを言うと瀬戸くんが気にするかもしれないから、それについては一切触れずに伝えたいことだけを書いて送った。