「あつ-い!!」
「……アンタのその姿のほうが暑苦しいわ」
暑さをまぎらわせようとバタバタ両手を振り回す私に、氷のように冷たい視線を送ってくる親友の美来(ミキ)ちゃん。
「そんなこと言われても暑いんだから仕方ないじゃん!」
そんな美来ちゃんに口を尖らせながらドンッと強く机を叩けば、返ってきたのはさらに冷たい視線で。
……美来ちゃん、冷たい。
親友のヒドイ扱いにペタンと机に突っ伏す私。
無言なところをみると、どうやら美来ちゃんは私の相手をする気はないらしい。
「あー、教室にクーラー付けて欲しい~」
突っ伏したまま手であおぐけど、そんなのなんの効果もなくて。
ただ手がダルくなるだけ。
動く方が暑いっていうのは自分でもよく分かってるんだけど、暑すぎてジッとしていられないんだよね。
なんでもいいから悪あがきしたいというか。
……っていうか。
「圭祐(ケイスケ)と貴也(タカヤ)は?」
いつの間にかいなくなっている二人。
どこに行ったんだろう。