「おい…」
少し低めで、艶のある心地よい声が
耳元で聞こえた。

「アンタ、死んでんのか?」

何を言っているんですか、私はビルの屋上から飛び降りたんですよ。
…当たり前じゃないですか。

「なあって」

男の人は私の頭を何か金属の様な
もので軽く叩いた。

「…しゃあないな こんなとこほっとったら 魑魅魍魎に喰われるで」

ちみ…もうりょう? なんだろうそれ
ってゆうか 関西弁…生で初めて聞いた。
私 東京住みだから 新鮮だ。

と、思っていると 体を持ち上げられた
様な気がした。 …え。

「感謝、しいや アンタを拾ってやるん
やから」

どういう意味かな 私を拾うって…
と、思いながらも 少女は意識を
手放した。