人間の時間は限られている。
そう、生きていられる時間が。
これを私達人間は寿命と呼ぶ。
そして私達人間の寿命は80年前後。
時間にすれば70万時間にも及ぶ。
これを、どう有意義に過ごすか。
どう効率よく、低燃費に過ごせるか。

人間の時間は永い。

永すぎるんだ。
だから1日1日を、ただなんとなく、模範的に生きるのが一般的とも言えるのかもしれない。

だけど。

外に出るのは、他人と接触するのには、何のメリットがあるのだろうか。
出会い?
思いやり?
心?
争い?
育つ?
一体なにがだ。
他人と関わったところで何が変わるというのだろうか。

わからない。

この答えにたどり着く理由は2つ。
まだ誰も成し遂げたことがないからだ。
または、誰かがそれを試みたところ、どうにもこうにも耐えられなくなって挫折してしまったか。
どちらかなのだ。
どちらにしても、誰も成し遂げたことはないのだ。

こんな考えを持つ人間が、この世にいるのだろうか。

それが、いたみたいなんだ。
それも幼い頃に親を亡くし、外へ出られなくなった男女1人ずつ。
またそれが偶然で、同じアパートの隣同士らしい。
そしてこれも偶然なのだろうか。
住民はその二人だけなんだってさ。
そこの管理人は隣の一軒家に住んでるらしいし。