思わぬ情報が手に入った。
探しても反応しないのはやっぱり死んでいたからか。
「あの襲撃で死んだんじゃなくてよかった。」
私は無意識にそう言っていた。
「ああ、そうだな。」
兄さんも相槌を打ってみさきに言った。
「みさき、もし今一人で暮らしてるなら俺たちと来ないか?俺たちは里を襲撃した人間どもに復讐するんだが、どうだ?」
私はまだ16歳の少女を復讐にさそうなんて、と思ったがみさきは答えた。
「行く。美里さんが死んだ理由はあいつらに襲撃された傷がずーっと治らなかったからだし。」
みさきはそう言って私と兄さんの手を取った。
「そうか。俺は荵だ。よろしくな。みさきのことを母さんが育てたのならみさきは俺たちの妹のようなものだな。」
そういうとみさきは嬉しそうな顔をして
「荵さんと桜さんは私のお兄さんとお姉さんになるんだね!」
と言った。
そこで私は疑問に思ったことを口に出した。
「みさき、鬼としての能力はなんだ?」
「えーっと、私の能力は相手の記憶を見て、弱点を探すことだよ。」
そこで兄さんがニヤっと笑ったのを私は見逃さなかった。
「じゃあ屋敷に戻ろうか。桜行くぞ。」
「分かった。」
だが私は見間違いだろうと思ってなにも言わなかった。