屯所に着いた。

「山崎!きれいな部屋を用意してくれ。」

山崎にそう言った瞬間に天井から降りてきた。

「なんで!?桜が!?まあいいや。用意できてます。医療用の部屋です。」

山崎はそう言って、その部屋まで案内してくれた。

「ここです。なにか必要な道具とかありますか?」

「いや、何もいらない。中に布団は敷いてあるか?」

「はい。」

「おい、永倉。布団にうつ伏せになるようにゆっくり降ろせ。」

永倉は頷いて藤堂の傷に響かないようにそっと布団の上に下ろした。

布団に下ろす前に藤堂が少しうなった。
そっと吹いた風が傷に触ったようだ。