兄妹の鬼の先に待つもの





近藤が出ていったあと、沖田の質問攻めにあった。

「今日は帰ってきたんですか?」

「いや。」

「じゃあ何故ここに来たんですか?」

「忠告をしに来た。」

「忠告とは何ですか?」

「伊東甲子太郎が近藤暗殺を目論んでいる。」

「近藤さんが!忠告をしに来たのに何故僕の部屋に来たんですか?」

「様子を見に来た。」

「どうして?」

「あの治癒で死んでないかと思ったから。」

「僕はそんな柔じゃありませんよ。これから戻ってくることはあるんですか?」

「いや無い。むしろこれからは敵同士だ。」

「どうして?」

「薩長幕府関係なく、私は人間と戦う。仲間だった事は忘れる。
人間は私達の敵だから。」

「どうして!?なぜ!?貴女は新選組を捨てるんですか!?」

「鬼だから。
人間は親やその他もろもろを殺した犯人だから。
殺していない人がいても、金があるかぎりそんな争いは消えない。
お前だってそうだ。自覚がないだけで大金を目にしたらいずれ欲しがるはず。
そして手に入れたら必ず次は力を求める。
自分に従わぬ者達を殺し、殺された者の家族が恨みを持ちまた続いていく。
それが人間というものだ。」

「そんな事は。」

「無いというのか?自分に限って無いと思い込んでいるだけじゃないか?
もしくは強がっているだけじゃ無いのか?今までそういう人間は山ほど見てきたぞ。
それでもお前は言い切れるのか!?」

私は苛ついて怒鳴ってしまった。

そうだ。そろそろ兄さんに言われた時間になる。

「もう私は帰らなきゃならない。
覚えておけ。次あったときは必ず敵だ。容赦はしない。」

「僕も新選組が進む道に邪魔な奴が入ったら容赦無く殺す。
覚えておいてね。」

沖田に別れを言い、部屋を出た。