「失礼ですが副長。では神崎の処分は如何様に?
神崎が戻ってきたときに脱走していた事に対して何も処分が無いのは隊士たちに示しがつきません。
ですので何かしら処分をしたほうが宜しいのではないですか?」

そこで斎藤の意見に近藤さんが同意の意思を示した。

「斎藤くんは最もな事を言うな!だが処分は切腹以外に何にしたらよいものか。」

そこで神崎が戻ってきてからの処分はどうするかの話し合いが始まった。

「私から意見があります。
これから桜さんには新選組から離れずに仕事をしてもらってはどうでしょうか?」

山南さんがいい意見を出してくれたが、俺はそれじゃ隊士どもが納得しないんじゃ無いかと思った。

「山南さん、それだけじゃ隊士達は納得しないんじゃないか?」

「では他にどうしろと?」

山南さんがそう言うと、皆は黙り込んだ。

その中で斎藤が静かに一言を放った。

「では、1番組の補佐という立場から格下げしてはどうでしょうか?」

「やはりそうするしかないのか。
だが、戻ってこなかったらどうするんだ?」

皆が戻ってきた場合のことしか考えてなかったことに対して、近藤さんが戻ってこなかった場合の事を言い出した。

「その場合は半年ほど待つ。
それでも戻ってこないなら、もう捕まえて殺すしかないだろうな。」

私がそう言うと、近藤さんと永倉が反対していた。
斎藤も黙ってはいるが反対意見を持っているだろう。

「まだ神崎くんはおなごでしかも17じゃないか!?殺すのはかわいそうだ!」

「そうだぜ!土方さん!桜は今まで女でまだ17歳なのに新選組に平隊士以上に貢献してくれたんだ!それなのに、斬り捨てちまうのか!?」

近藤さんと永倉に言われて俺はだんだんと苛々してきて怒鳴った。

「俺だって...!あいつを殺すのは...嫌なんだよ!だが...そうするしかないんだ!...あいつは女だしまだ17歳だ、だが...!あいつは1度新選組に入ったんだ!人も斬った!新選組に入ったやつは誰だろうと新選組の掟を守らないといけないだろ!なんのために...俺たちはあの掟を作ったんだ!?」