私の場合二つあるが、兄さんや他の鬼は一つしかもっていない。
これも祖母に読まされた書物に書いてあった。鬼という単語は出てこなかったが私や兄さんのように特別な力を持っている人達のことが記してあった。
兄さんの能力は人の心を読み、読んだと同時にその人の未来が見れると言うものだ。
だから必ずと言っていいほど兄さんの信用した奴は無害だ。

そこで私は兄さんに会うために柊についていくことにした。

「柊、私を兄さんのところに連れていってくれ。お願いだ。」

「やはりたった一人の兄には会いたいものか。良いぞ、連れていってやろう。」

そう言って柊に付いていこうとしたときに誰かに呼ばれた。

「神崎ー!どこだ?!出てこい!」

そんな声が聞こえ後ろを振り返ってみたらそこには息を切らしながら、走り回る斎藤と三馬鹿がいた。

「どうするのだ?俺についてくるのか?それともあそこに戻るのか?」

「私は。」

後の言葉を続けようとしたときに、斎藤たちと目があってしまった。

「おい!神崎!どこにいくんだ?!お前がいないって屯所中大騒ぎになってるぞ!」

そう原田は捲し立ててきた。

「だから?私は行かなきゃならないところがあるから。
柊、もう行こう。兄さんは気分屋だから、すぐにどこかに行ってしまう気がするんだ。」

「そうだな、おい新選組。俺達はもう行く。後は追ってくるなよ。」

「何だと!おい神崎戻ってこい!今お前が戻ってこねぇとお前は切腹なんだよ!総司の気持ちも考えてやれよ!」

「はっ、総司の気持ちも考えろ?そんな余裕、私には無い。お前らの御託に付き合うのはこれで最後だ。じゃあな。
ああ、そうだあと一つ私が出ていったのは、紛れもなく新選組の幹部のせいだから。
それと沖田に伝えといてくれ。お前と私は釣り合わない。
お前は人間の女でも探せとな。じゃあな。」

そう言い柊と桜は一瞬にして消えていった。