そして私は沖田さんの部屋に向かった。
「沖田さん、桜です。入ってもいいですか?」
少しの間を置いてから沖田さんの咳き込む声が聞こえた。
「げほっごほっどうぞ。」
私は何故か嫌な予感がした。
「沖田さん!大丈夫ですか!」
そう言うと沖田さんはいつものような感情の読めない微笑をして話し始めた。
「君も未来から来たなら知ってるんだろうけど、さっき松本先生が来て僕は病に侵されてるって言ってた。
それも死に病の労咳だって。」
「はい、知ってます。それに私は治す方法を二つ知っています。でも片方を沖田さんが選ぶことはないでしょう。」
「新選組のいや近藤さんの役にたてるなら、治るならどんな方法でも試す!教えてくれ!」
沖田さんは必死な声でそう言った。
「では二つのどちらを選ぶか決めてください。
一つは新選組を離れ空気の澄んだ所で療養する事。
もう一つは私の力で沖田さんを治す方法、ただし私の力は耐えきれないほどの痛みが2,3日続く事です。
どちらを選びますか?」
私は沖田さんを見た。
私の言葉に少し迷っているようだ。
自分は果たして2,3日続く痛みに耐えきれるのかと。
「沖田さん一つ言い忘れてました。
私の力は耐えきれないほどの痛みが2,3日続くと同時に痛みに耐えきれず死ぬこともあります。
その上で沖田総司さん、貴方はどちらを選びますか。」
「僕は。」
沖田さんは意を決したように顔を上げ私を見据えた。
「僕は新選組を離れるつもりはない。だから僕は君の力に頼ってみるよ。」
沖田さんはそう答えた。

