兄妹の鬼の先に待つもの





斎藤さんが行った後に私は土方さんに聞いてみた。

「自分はここにいても迷惑みたいなので、出ていきます。」

「だ……が……んな……事……た。」

「え?」

「誰がんな事言った?自分は迷惑?ふざけんな。みんなてめぇに助けてもらってんだ。
てめぇが出ていったほうが迷惑なんだよ!」

私は知らない間に涙を流していた。

皆がそんなことを思っていたなんて。

「っ…でもっ皆私の事を冷たい目で……ヒック」

そう言うと土方さんは、私の頭をポンポンと撫でながら話をしてくれた。

「それは仕方ねぇよ。お前が総司を気絶させたんだから。
でもな、皆お前にどう接したらいいか分かってねぇだけだ。
その冷たい目を向けられるのも今日で最後だ。」

「はい。」

そう言うと土方さんは私を抱き締め、

「お前は感情をもっと表に出せ。そうすれば、皆もお前にいつも以上に優しく接してくれるだろうから。」

「ねぇ、土方さん。どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」

そう訪ねると土方さんは、

「この時代に来てまだ日数が経ってねぇんだ。味方は一人でもいたほうがいい。」

そう言ってくれた。