兄妹の鬼の先に待つもの





そうは言ったものの、桜の速さは尋常じゃなかった。
やや押され気味の沖田は、後ろにあった死体に転び少し隙が出来てしまった。

桜には絶好のチャンスだったためそこを突き沖田を殺そうと刀を突き出した時だった。
微かに新選組の事を語る父親の声を思いだし、少し油断してしまった。

--------あのな桜、新選組って言うのは京の人達に嫌われていたがくじけずに自分の仕事を全うしていた人達なんだよ---


その言葉を思い出しすぐに刀を峰打ちに変え沖田を気絶させた。

「おい総司!大丈夫か!桜!総司は大切な仲間だろ!」

「殺してはいない。少し眠っているだけだ。」

そうは言うが平助は桜を忌々しそうに見つめた。

桜はその視線を物ともせずに進んで行った。