「桜……さん?」
沖田さんは私を信じられないというような瞳で見つめてきた。
驚いてるのは桜も同じだった。
自分は人間だと思っていたのに、いきなり自分の容姿が変わったのだから。
でも今はそんな事で驚いているほど桜の気持ちに余裕は無かった。
ただ人を斬りたい、肉が裂ける感覚、血の匂いをもっと味わっていたかった。
沖田さんに退いてくれる気配が無いことに桜は苛立っていた。
「おい沖田そこを退け。さもないとお前を殺すはめになる。俺もそれは心苦しい。」
桜の顔は心苦しそうには見えず、逆に早く誰でも良いから殺したそうな瞳だった。
「おーい総司!桜見つけたか?……!」
平助が桜を探しに行った総司の後を追って二階まで上がって来た。
平助は桜を見て驚いた顔をした。
「おい、お前誰だ?」
平助は桜の容姿を見ていたが、誰かはわからなかったようだ。
「ははははははっ!俺が誰か分からないって?今まで一緒に過ごしてきたくせに何も分からないなら、お前の目は節穴なのか?そう思わないか?沖田。」
平助は驚いた顔をした。
これで気付いたかと思ったが平助は
「おい総司!こいつお前の知り合いか?」
と呑気な事を言っていた。
そこに沖田が
「この人は平助もよく知っているはずだよ。ね?桜さん。」
それを聞いた途端、平助はさらに驚いた顔をした。
「本当に桜…なのか?」
「ああ、そうだ。」

