慌ただしい音が聞こえて、気になった私はじっとしていられずに障子を開けた。

「どうしたんですか?」

障子を開けると、ちょうど目の前を原田さんが歩いていた。

「今日捕縛された桝屋喜右衛門を土方さんが直々に拷問して情報を聞き出すそうだ。」

「そうなんですか。
ありがとうございます。」

原田さんにそう言って、私は拷問部屋がある方に駆けていった。

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拷問部屋の前に着いた。

中から滲み出る嫌な空気を物ともせずに、桜は扉を開ける

「誰だ?」

土方さんの低い声が聞こえたが、私は答えずに桝屋喜右衛門(古高俊太郎)の所へ向かっていく。

「土方さん、自分にやらせて下さい。」

「はあ!?ちょっお前外に出ろ!」

土方さんは少し焦ったように私を外に連れ出す。

「何ですか?」

「何ですか?じゃねぇよ!何で来たんだ!」

「自分は隊士になったんです。いずれ血に染まる。
今やっても変わらないと判断したので、此処に来ました。」

私は正直な気持ちを話した。
だが土方さんは納得してくれずに私を追い返す。

「俺に任しとけ。今はお前の出る幕じゃない。」

土方さんはそう言って、私の頭を撫でて拷問部屋に入っていった。