兄妹の鬼の先に待つもの






「桜さん、準備はできましたか。」

「天羽さん!はい、もう入場なんですよね。なんか緊張してきた。
すいません、いろいろ今まで迷惑かけて。」

「今更です。行きましょう。」

私は扉の前に立って天羽さんと腕を組んだ。

「それでは、新婦の登場です。」

中から司会の人の声が聞こえた。

「いってらっしゃい!」

ブライダルで働いている人が扉をあけながらそう言った。

チャンチャチャチャン♪チャンチャチャチャン♪

入場の音楽とともにゆっくり一歩一歩進んでいった。

優しい笑みを浮かべて私を見つめる歳三さんのタキシード姿はよく似合っていて、すごくかっこよかった。

天羽さんから腕を話し、歳三さんの腕に私の腕を絡めた。