帰り道は夕暮れの太陽で赤くなっており血のように感じる。
私はなぜかその道を見て、すごく気持ちが高揚していたことに違和感を感じたが、気にしないふりをした。
「土方さんに遅くなったこと怒られるかな?」
沖田さんがいきなり話しかけてきたことに少し驚きながら、私は沖田さんの問いに答えた。
「たぶん怒られると思いますよ。まあどうでもいいですけど。」
そう言うと、沖田さんは少し微笑みながら「そうだね」と答えた。
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まだ夕暮れだった空が、屯所へ着く頃にはすっかり暗くなっていた。
屯所の前に人影があった。
目をこらしてみると、私たちのよく知っている人物だった。
「おい!お前らこんな時間まで何してたんだ!
袴と刀を買いに行くのにこんなに時間がかかるはずないだろ!」
そう言われて沖田さんが苦笑いでやっぱりと言っていた。
沖田さんも私も土方さんの問いに答えなかったからか、土方さんがもう一度聞いてきた。
「おいお前ら俺の話を聞いているのか!
どこで何をしていた!」
「土方さんに言われたとおり桜さんの刀と袴を買いに行っただけですよ」
「それ以外はどこにも行ってないんだな?」
「どこにも行ってないとは言ってませんよ?土方さん。」
沖田さんは、少しいたずらっぽい笑顔を浮かべていた。
「だからそれ以外のことを聞いているんだ!もういい、総司に聞いても埒が明かない。神崎何処へ行ってたんだ。」
事実上土方さんは上司にあたるため、私はしっかり答える。
「沖田さんと甘味処に行きました。
沖田さん行きつけのところへ行ったらこの間助けた女子に会い、お礼をさせてほしいと言われたので少し話していました。」
土方さんは少しため息をついて、
「もういい部屋に帰って休め。」
そう言って、屯所の中に入っていった。

